今回は松坂もめんフェスティバルで体験した
木綿の生地ができるまでの工程をご紹介したいと思います。
こんな方におすすめの記事
着物が好きで産地や生産過程に興味がある方
松坂で機織体験をしてみたい方
松坂もめんが好きな方
伝統工芸やモノづくりに興味がある方
Contents
機織体験ができる松坂もめん手織りセンター
まずは松坂もめん手織りセンターの紹介から。
洋服や雑貨、文具など松坂もめんを使った様々なアイテムが揃っていて、イベント開催時以外でも機織り体験ができたりと松坂もめんの歴史や伝統を学ぶことができます。
店内の様子

着物があるのかなーと思っていたのですが以外と洋服が多い。
と言うか着物はなかった。

反物がずらり。
縞模様でもこれだけ色々な種類があるんですねー!
グラデーションになっているストライプや無地、ギンガムチェックなど
バリエーションもそれぞれ。
私は自分が着物を仕立てる時の生地をここでもう選んでおきました。(気早)
だってね生地選びは極力広い面積で見ることが大事だから。
小さな面積で見た色や柄が大きな面積になった時って印象が全然違うんです。
これはインテリアもファッションも着物も共通だと思います。キリッ

ということで遠目から見た感じもしっかり確認。お侍さんありがとう。
遠目で見た時に無地っぽく見える松坂もめんの特徴がしっかり出る生地が良いんだけどちょっと色の濃淡が濃いかな〜 むむむ
とりあえずここで見た生地ではこちらが一番気に入りました。
松坂もめん 体験コーナー

ありました!機織り機!!
貴重な1台なのかと思いきや

奥に進むと所狭しといっぱいありましたー。
機織り機毎に既に縞柄が違うのがわかりますね。
生産過程を見るのが大好きなのでもうわくわく♪

興味津々覗き込む。

待ちわびていた機織り体験ができるー!と楽しみにしていたのですが
人気の機織り体験、既に先着順で予約いっぱいでした。チーン
しかし結果としてちょっとだけ機織り体験もできました♡
それでは生産過程、いってみましょうー。
木綿が糸になるまで
①綿繰り(わたくり) 綿と種を分ける
綿花から採取した綿には種子が入っています。

こちらが綿花です。
まず、綿繰り機!(わたくりき)で綿花の綿と種子を分別していきます。

こちらは電動の綿繰り機ですが手動のものもあります。
191110matsusaka_momen_experience7
機織り体験に飽きてしまった男の子がこちらの電動綿繰り機にハマって
ずっと作業をしていました。かわいい。
けど確かにこの単純作業、やりだすと大人もハマる。

綿繰り機によって綿と種子に分けるとこんな感じに。
②綿をほぐし繊維を揃える

ふわふわな状態の綿をカーダーと呼ばれる道具にのせ、ひたすらほぐして繊維を揃えます。

これがなかなか時間と力のいる作業で、わたくし途中で力尽きました。

繊維が揃った綿はこのように一本に。
なんかちょっと、、、この状態、いやかも、、笑 腸みたいだ、、
③糸紡ぎ機で綿から糸に
いよいよ綿から糸になります。
なんで綿が糸になるのか、この変貌がずーっと謎で。
ついに解明される時が来ました。

左手に持っているのは綿。
で綿の先に巻かれているのはもう糸なんですね。
191110matsusaka_momen_experience9
この神業のような動画を見てどうなっているか分かります??
くるくる回してるだけでなんで糸になるのか。
そばで見て、説明を受けても分かりませんでした。笑

車を回すことで、綿に依りがかかって糸になるそう。
うーん、分かるようで分からない、、、

質問責めしていると、糸紡ぎまで体験させてもらえることに!笑
やったー

師匠にレクチャーを受ける。
あのね、めっっっちゃ難しい。

なんでか糸になっていくんだけど途中で切れてしまったりと
うまくいきません。
だけど実際に手を動かしてみても自分が何してるか分からない。笑

コツが全然つかめない自分がおかしくなって笑えてきちゃいましたが
楽しかったです。
(恐らくスーパースローモーションで見ないと理解できないと思います)

出来上がった糸。
ここから今度は松坂木綿になるために藍色に染色されるのでしょう。
糸紡ぎ体験 実際にやってみて分かったこと
- 速く回すと糸が切れてしまうので初心者はかなーり時間がかかる
- ただくるくる回しているだけに見えるけど、いくつもの工程をこなしている
- 均一の細さの糸にするにはかなり鍛錬が必要である、、!
- 昔の人、すごい!!笑
長居してしまいましたが丁寧に根気強くレクチャーして下さった手織りセンターの方々、本当にありがとうございました♪
恐らく体験コーナーにこんなに長く滞在していた人は私だけだったのではないかと。笑
糸から生地になるまで
機織り体験ができず意気消沈していると、手織りセンター以外でもできる!
という情報を入手し行ってみました。
旧長谷川治郎兵衛家

こちらでは、予約不要で気軽に体験させて頂けました。
イベント開催中だった為、通常では行っていないと思います
機織り体験

レクチャーを受け、念願の初機織り!

既に縦縞になって並んでいるのが縦糸。
右手に持っているのが杼(ひ)、英語だとシャトルと言われるものでこちらに横糸が通っているんです。

足のペダルを踏むことで縦糸を交互に切り替えます。
その間にシャトルを走らせ、横糸を通します。

横糸を通したら筬(おさ)で布をトントンと2回たたき、横糸を縦糸に打ち込んでいきます。
この単調な作業をひたすら繰り返していくんですね。

あやばずが10分程体験させてもらって打ち込んだ生地はこのくらい。
2㎝もなかったかな。
少しの体験でしたが、仕組みを知りたい私にはちょうど良かったのかも。
松坂もめん 体験まとめ
私の通っている着付教室では着物の産地の職人さんのお話が直に聞けて大変おもしろいのですが
生地の作り方の細かい話がどうもイメージできなかったのです。
今回実際に体験してみて、布のできる仕組みが分かったので
着物やファブリックに対する理解がより深まりました!
そして職人さんの技術やこだわりへの尊敬が今後さらに増すと思います。
これは本業のインテリアの仕事でもかなり役立ちます。
輸入品でハンドメイドのファブリックもよく目にしますが
大体とんでもないお高い金額です。
けど、これだけ職人さんの技術や手間暇がかかっていると思うと
頷けるというもの。
ぜひ皆さんも、機織り体験してみて下さい。
布に対する見方が変わりますよ✨
三重県観光連盟公式サイト
松坂もめん手織りセンター 機織り体験
(https://www.kankomie.or.jp/spot/detail_3146.html)