興味のあることには片っ端から首を突っ込むあやばずです。
夏から着付け教室に通っており、日本の伝統技術への興味関心は
住宅に関わるものだけでなく、「着物」にも広がってきております。
今回は、あやばずを着付け教室に誘ってくれた友人からの誘いで
紺屋めぐりイベントの「帯揚げ染め体験」に参加しました♡
Contents
イベント概要
紺屋めぐりとは?
新宿区染色協議会が主催している
イベントの1つで、期間中、新宿区にある「染色に関する工房」を見学することができます。
妙正寺川沿いの中井駅・下落合駅、落合駅周辺を西エリア、神田川沿いの高田馬場駅、西早稲田駅から神楽坂駅にかけてを東エリアに分け、期間を分けてそれぞれ開催。
今年から「染めあそび」として通常なかなか体験できない染色体験ができるようになったのです!
やはり時代は「モノ消費」より「コト消費」なのでしょうね♪
新宿区、神田川・妙正寺川流域は染物の町だった
染色業が新宿区の地場産業であることをご存知でしょうか?
新宿区は江戸時代から続く、江戸小紋、江戸更紗、東京手描友禅、江戸刺繍、糊画、紋章上絵、染色補正、洗張り、湯のしなどの染色に携わる工房が集中していました。
染物を洗う際に大量の水が必要であったことから、妙正寺川、神田川沿いにそういった工房が広がっていったんですね。
汚染の問題から川洗いが禁止され、着物を着る人が少なくなった今では工房の数も激減、規模も縮小していますが代々続く伝統工芸は絶えずに今も受け継がれています。
「染の里 二葉苑」での帯揚げ染め体験
今回は、数ある工房の中でも規模の大きい「染の里 二葉苑」での
帯揚げ染め体験でした。
あやばず祖母の着物を来ているのですが
帯揚げを持っていなくて、買わないとなーと思っていたのでタイミングよく、
体験もできるし、好みな色を手作りしてしまおう♪と参加することにしました!
体験レポ
マンションの一角に作られた工房

門を潜ると正面にはショップ、左サイドには引場と呼ばれる空間がありました。

染め体験はこちらで。
初の帯揚げ染め

間違って特急に乗って行き過ぎてしまったあやばず、なんと20分も遅刻してしまい遅れてスタート。(本当申し訳なかったです、、)
まず白い帯揚げから種類を選びます。
分かりづらいけど七宝柄や無地、リバーシブルになったものと4種類から好きなものを。

あやばずはリバーシブルで使いたいので格子柄と無地の正絹を選びました。
染めた際に模様になるように、ゴムや紐、ビー玉を布に付けていきます。
(写真を撮る時間的余裕なし笑)
「こんな感じにしたい」と伝えると、アレンジの仕方をアドバイス下さいます♪

染めている最中も教えて下さるので安心。

染めていきますー!
紫、青、黄色、グレーの4色。
染める順番や場所で仕上がりも変わってくるので真剣。
優柔不断なので普通ならかなり迷うところだけど
遅れをとっているのあやばず、勢いよく鍋に挿入!
(熱いのでやけどに注意)

初めに床にあるバケツの水に付けて、絞ってから染色。
染色する度に水ですすぎ次の色を入れていきます。

ブルーとグレーのリバーシブルにしたかったのに漬けこみが足りず間に白が入って三色に!
しかし時間がない!!
最後にグレーの液体に突っ込み全体をグレイッシュに染める作戦に出ました。
実際にちゃんと使えるものにしたいのでめちゃ真剣でした。笑

最後に水元と呼ばれるこちらのスペースで水洗いし、一旦作業は終了!
なんとか皆さんに追いつきました。
伝統工芸、江戸更紗についてのレクチャー
帯揚げを蒸している間に、二葉苑の伝統工芸である「江戸更紗」についての
レクチャーがありました。

まずは、一番広い引き場と呼ばれるスペース。
壁から壁まで吊るされた反物が宙に浮かんでいる状態です。

こちらの面に染色していきます。
引場は図柄に色を挿していく工房で、
こちらに糸目の中に色を入れたり、ぼかしなど着物独特の技術を施したりと
着物のデザインを最終的に華やかな図柄に仕上げていきます。

太さの異なる刷毛を使い分けながら、人の手で丁寧に染色。
これは根気のいる作業だなー、、。
刷毛には鹿の毛を使っているそう。

続いて板場。
こちらは引場と違い餅粉を練ったものを板に付けて固定し
型紙を貼り染色していくのだそう。


この細かな柄と色合い、まさに芸術!
見惚れてしまいます〜♡
きちんと整理された刷毛達。
色によって分けられているようですね。
こちらが更紗の受け継がれている型紙。
同じ型を破れるまで何年も繰り返し使うのだそう。

染色していく過程がひと目で分かりますね!
仕上がりの鮮やかさが光ります。
型紙を100枚使っている!と言われるのは誤りだそうで、実際は38枚なんだそう。
それにしても多いですし、手間暇かかっていますよね、、職人技です。
こちらには型紙がずらり。
この長年蓄積された型紙が二葉苑の財産で貴重なものなのでしょうね。
蒸した帯揚げが乾いた頃合いで、次は「湯のし」を行う為に
「吉澤湯のし加工所」へ移動しますー!
吉澤湯のし加工所へ

二葉苑から徒歩10分程の距離にある吉澤湯のし加工所。
参加者の方とお話している間にすぐ到着。
関連する工房が徒歩圏内にあるのも良いところですよね。

大型の機械が何台かあります。

湯のしの説明をして頂いた後は、実際の作業を実演して頂きます。
まずは全員の帯揚げの端部を仮縫いし、一度に作業が行えるように1枚続きにします。

こちらは蒸気を当てる機械。
反物の素材や幅に合わせて指先の感覚で微調整されるそう。
簡単なようで難しそうですよね、
蒸気を放つ為夏場は45度にもなるんだとか!
過酷な作業です、、

こちらは反物を素早く巻く機械。
普段は手で巻けても、数があるとなかなか時間がかかりますよね。
この機械だと10秒で巻き終わります✨
時短アイテムですね〜!
ちなみに
一通り実演して頂いた後は繋いだ帯揚げを外し、それぞれ作った人の元へ。
湯のしをする前と後では見た目が全然違う!!
「ただの染めた布」だったのが、光沢感が出てちゃんと帯揚げになりました✨
湯のしってすごく大事な最後の仕上げだなと感じました。
仕上げ

二葉苑に戻った後は、仮縫いした両端をジグザグはさみで切ったら完成ー!!
皆さんそれぞれ鮮やかで柄も色合いも様々で、他の方の仕上がりを見るのも楽しかったです♪
二葉苑さん、吉澤湯のしの吉澤さん、
ありがとうございました!
あやばず余談
ちなみに
あやばずの作品はというと、、
こんなかんじになりました〜♡

え、暗くて薄汚いって?
実はあやばずもそう感じましたよ、、、
特に湯のしする前は「汚っ」って思ってグレーに全漬けしたことを後悔しました。笑
でも!
着物と合わせてみると良いかんじに♡

どうでしょう?
グレーの面ですが落ち着いたいい色合いじゃありませんか?
バタバタ作りましたが結構満足しています。笑
最後に。
如何でしたでしょうか?
あやばずは、ただ単に「買う」ことがあまり好きではありません。
せっかくならモノづくりの過程も知りたいし、体験したいので
楽しく充実した1日になりました♡
紺屋めぐりのイベント以外にも、定期的にイベントが開催されていますので
興味にある方はぜひチェックしてみて下さい!